第三回ワークショップ

第三回ワークショップは「未来妄想ワーク」と題し、参加者一人ひとりが、将来どんな生き方、暮らし方を実現していきたいかを未来に向けてあれこれと想像することに取り組みました。

まずは前回までのグラフィックレコーディングの記録を眺め、振り返りを行いました。

続いて二人一組になり、相手の目だけを見ながら似顔絵を描くアクティビティを行いました。

「相手の目を見ながら描くと手元が見えずうまく描けない。それでも相手の目だけを見て手を動かすこと。」

今回のテーマである「未来を描く」こともこのアクティビティと同様に、分からないなりに思い切って描くこと、多少強引でもとにかく手を動かすことが重要である。以上でアイスブレークは終了しました。

「未来妄想ワーク」では、2050年の未来を描き出すことに取り組みました。いきなり2050年の未来を描こうとしても、30年という時間軸のイメージは掴みにくいので、未来を想像するためには”Back to the Future”という視点で1990年の暮らしがどうであったかを思い出すことから始めました。講師からは当時の流行語大賞や話題となったニュースが共有されました。

配られたワークシートに、1990年の自分が当時何歳で、どこで何をしていたか、何が流行っていて、どんなことをして過ごしていたのか、何が好きだったか、嫌いだったか。それぞれに書き込んでもらいました。

テーブルの上に敷かれた真っさらな年表の上にワークシートを貼り、どんなことが書かれているのか、全員で眺めました。1990年だと学生の参加者の多くは生まれていなかったので、社会人から当時の様子を聞いていました。

続いて2005年。学生の皆さんもようやく物心ついてきた頃。当時がどうであったか、同様にワークシートに記入し全員で共有しました。

「男女平等と30年前の頃から言ってるけど、今も言ってること変わってないと思った。」
「世代の違い関係なく、子どもの頃に好きな遊びは同じなんだと思った。」
「昔と今とを比べると、モノの扱い方が随分変わったと思った。」

30年前、15年前を思い出し、振り返ることから沢山の気付きが出てきました。

そして2019年現在。今年の自分と身の回りの出来事を書き出してもらいました。

現在について書き出したワークシートを共有したところで、講師からは「30年の時間感覚を体の中に落とし込む。」ということがここまでのアクティビティのポイントであると話がありました。1990年、2005年から変わったこと、変わっていないこと、自分の暮らしや関心が30年の間にどのような変遷を辿ってきたのかなど、30年という時間が実際にどのように過ぎていったのか振り返りました。

いよいよ30年後の未来、2050年を想像する段階にきました。講師からは、1910年にフランスの画家Villemardが描いていた100年後の未来という絵の紹介がされました。掃除機ロボット、自動学習装置、農業機械、空中パトロールなど、どれも当時は考えられなかったことが、今では実現されていることに気付かされました。他にも、野村総合研究所が発表している「NRI未来年表2020-2100」などを共有し、2050年を想像する参考としました。

2050年にどんな秋田であってほしいか、自分はどんな光景をみたいか。ワークシートに思い思いに描いてもらいました。

貼り出された多様な2050年の未来像を眺め、共感するものにそれぞれハートの付箋をつけていきました。特に多くハートがついていたものには例えば以下のようなものがありました。

「2050年の学校の授業風景がこうなったらいいな、というものを考えた。例えば江戸時代についての歴史の授業なら、バーチャルリアリティの技術が進んで、当時の匂いなど、江戸を感じながら学べる。そんな授業になっててほしい。」

「今よりも国境を越えた行き来がしやすくなり、距離の感覚が短くなる。その結果、国境がなくなって、みんなが『地球人』になっているんじゃないか。」

「子育てする大人が幸せな社会。技術が進んで、物理的に遠くにいても親と子がつながっていることができる。育児と仕事の両立がしやすい社会になっていてほしい。」

「大事な人が沢山いる、愛情中心、教育秋田になっていてほしい。」

3時間のワークショップで1990年から2050年までの時間軸の旅をし、未来像の妄想が描き出されました。次回のワークショップでは、今回出てきた「妄想」を事務局がまとめ、「秋田の未来像を描く」に向けていくつかテーマを抽出してきます。参加者の皆さんには年末年始の間に今回のワークショップで描いた未来像を自分の周りの人と共有し、家族や親戚、友人がどう思うかを聞いてくることが宿題として出されました。

次回ワークショップは2020年1月18日「まちの声を共有する/秋田のありたい姿を描き出す」です。

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